第1章/全8章 ・ 目安 4分

データベースとは

表計算ソフトとの違いと、使われる理由

一言でいうと

データベースとは、たくさんのデータを、たくさんの人やシステムが同時に、正しく安全に使えるように整理してしまっておく仕組みです。

銀行の残高、ネット通販の在庫、会計システムの仕訳、勤怠システムの打刻。毎日目にする数字の多くは、画面の裏側にあるデータベースから取り出されています。画面は「見せ方」、データベースは「保管庫」と考えると分かりやすくなります。

データベースを動かすソフトのことを DBMS(データベース管理システム)と呼びます。会話の中では、DBMS のことも、中に入っているデータのことも、まとめて「データベース」や「DB」と呼ぶのがふつうです。

表計算ソフトと何が違うのか

表計算ソフトも、行と列でデータを整理できます。少人数・少量で、自分が分析するだけなら十分に便利です。違いが出てくるのは、使う人やデータの量が増えたときです。

場面表計算ソフトデータベース
同時に使う人数同時に書き込むと上書きや衝突が起きやすい数百人・数千人が同時に読み書きしても順番を整理してくれる
データの量数万行を超えると重くなりがち数百万行でも、必要な行だけをすばやく取り出せる
入力のルール入力規則は作れるが、貼り付けなどで簡単にすり抜ける「金額は数字だけ」「同じ番号は二重に登録できない」などを必ず守らせる
失敗したとき途中まで書き換わったまま残ることがある途中で止まったら、まとめて元に戻せる(第5章)
見てよい人ファイルごとに渡すか渡さないか「この表は見るだけ」「この列は見せない」など細かく決められる

つまり、データベースは「大勢で使っても、量が増えても、データが壊れないこと」に重心を置いた道具です。表計算ソフトが悪いのではなく、得意なことが違います。実際の仕事でも、データベースから取り出したデータを表計算ソフトで分析する、という組み合わせはよく使われます。

このサイトで扱う種類

データベースにはいくつかの種類があります。このサイトで扱うのは、データを表(テーブル)の形でしまっておく リレーショナルデータベースです。会計・販売・人事などの業務システムでは、今もこの種類が中心です。

ほかに、項目の形を決めずに文書のまま入れる種類や、「キー」と「値」の組だけを高速に出し入れする種類もあります。これらはまとめて NoSQL と呼ばれ、アクセスが極端に多いサービスや、形のそろわないデータに使われます。まずは表の形を理解しておけば、他の種類を学ぶときの土台になります。

この章のポイント
  • データベースは、大勢で・大量に・正しく・安全にデータを使うための保管庫
  • 表計算ソフトとの違いは、同時利用・量・ルールの強制・失敗時の戻し・権限
  • 業務システムの中心は、表の形で管理するリレーショナルデータベース